第166話「現実逃避ノスゝメ」の巻

 とあるブログ、過日の記事およびそのコメンツ欄より。


 


 どうも、下衆です。
 そんな訳で肉食系女子の皆様アロハ! 食肉用男子の柾木大造(34)です。……ツッコんで! 「男子ぢゃなくてオッサンだろ!」っつってツッコんで! あと、女子はもちろん殿方も菊座で大歓ゲイ★ 突っ込んで!
 ね、本文わづか4行にしてご覧の下衆っぷりであります。柾木大造、出会って4行ソク合体。最近となっては町を歩いているだけで「よっ! 肉便器女王!」なんてお声がけも引っ切り無しのワタクシですが、一応は会社ずとめの身の上、先月末等は貴重な日曜を潰して研修へ行って参りましてってゆーか誰が聞きたいそんなの。思い出したくもないし、当人が。そう云えば、その辺のオッサンが髪さ切ったとか1番いらない情報だと思うけど、ぼく変えたんです、髪型。横をガーッ刈り上げて、前髪たらして、昨今のイケメンっぽいスタイルを意識していたのに鏡に映るのは鳳啓助師匠とゆー不思議。あゝ愛しのエロガッパ。


 
 (画像左より師匠、ぼく、ピエール瀧

 
 悪夢の研修によって失われた8/28、それから週をひとつはさんだ9/11。かの日もまた、ぼくにとって暗い日曜日となってしまいました。
 Berryz工房の「ああ、夜が明ける」発売記念イヴェント、その1回目にひと知れず当選していたぼくは当日SHIBUYA-AX様へお邪魔したんだけど、ロクな思いをせづに帰される破目になったんです。今にして思えば、彼女達とのリヤルな対面に備えて身だしなみを整えるべく髪を切りに赴き、エロガッパ頭にされたのがケチの付き始めだったのでしょうか。
 「たかが」って云ったら失礼だけど、シングルのイヴェントなんだから内容には期待していなかったし、2階2列とゆー、席を巡るクヂ運の無さも毎度の事なんであきらめも付きました   最初は。それとゆーのも、まづは周囲の環境が悪かったんです。いわゆる野次将軍の様な連中がチラホラ居て、開演前から「ゃべ〜っ!。ぼっき、してきたっ!。」等と騒々しかった彼等は本当にBerryzのフアンだったのでしょうか? どのメンバーのどんな発言にもクチ汚くレスポンスしていた覚えがあります。例えば自己紹介での「19才、シミッサキッですっ!」に対し、「ばば〜っ!。」とか。アンタいくつだよ。帰れ。その前に、来るな。
 さらに我が不運を如実に物語るのが、あるお方の右どなりにぼくが位置してしまった事。そのお方はきっとくまいちょーのフアンなのでしょう、アライグマ?をかたどったお帽子をかぶっておいででした。そしてのちに彼が、全てをブチ壊してくれるのです。
 イヴェントの内容で云えば、ゲキハロ戦国自衛隊」にちなんで出題された「海上自衛隊が毎週金曜にカレーを食べる理由は?」とのクイヅ(正解は『長い船上生活で曜日の感覚を忘れない為』)と、千奈美ちゃんがMFTを「マイクロ・フィーバー・タオル」と呼んだ事くらいしか記憶に残っていない本編はグッダグダの内に終幕し、最大(唯一?)のお楽しみである握手会へと移ります。敬称略で並びを記すと、菅谷梨沙子夏焼雅清水佐紀熊井友理奈須藤茉麻嗣永桃子徳永千奈美、とゆー意味の分からない順番でした。「人間万事塞翁が悪ふざけ」を信条に生きるぼくは、それが裏目って研修で地獄を見たぼくは、この握手会でもしでかしてしまいます。
 Twitter様でも端的にツイーツした通り、


 


 事程左様な負け戦だった訳だけど、アイドルの握手会にノコノコ出ムイて返り討ちにされた30親父の愚痴に、貴方様がお付き合いして下されば幸いです。
 仕切り板1枚を越え、いきなり目に飛び込んで来たりーちゃんに度肝をヌカれたぼくは、彼女に対してクチをアウアウさせただけで終わっちゃったんですが、むしろそこで持ち直しました。雅ちゃん佐紀ちゃんへ「メリー・クリスマス!」を2連発。ふたりとも目をおっぴろげて、それでも笑いながら「えぇ〜っ!?」と、丸っきり同じリヤクションを見せてくれたモノです。さすがは姉妹でR(雅ちゃんがお姉ちゃんなんでR)。
 気分がノッて来た所でくまいちょー。彼女の目線に合わせる為171cmのぼくがグイッと顔を上げ、ゴギッ!と首の鳴った音が、終わりの始まりを告げました。
 熊手をニギニギすべく、限界までおっぴろげていたぼくの手は空(くう)を掴むばかり。そして首が折れるほど顔を上げていたのに彼女の視線は何処へやらってゆーか次のお客さんを見てる!&ニギニギまでヤッていくさる! ……この“次のお客さん”こそ、着席時にぼくのおとなりさんだったアライグマ氏でした。果たして、お目当てであろうくまいちょーを彼がフラゲした為、ぼくは飛ばされたんです。美少女とのニギニギを堪能する幸せな両どなりのハザマで、独り呆然と立ち尽くす30親父……
 だがしかーし! 高速握手会の渦中にあって凹んでいるヒマ等ありません! お次は、06・夏にBerryzにハマッて以来桃子と共に私的2TOPを堅守し続けているすーちゃんです。彼女へ「お誕生日おめでとう!」とぼくがいー、「は?」と返され、


 


 こんな顔をされる所までは計算ずくでした。こちらとしては、先の「おたおめ」に「俺!」と続けて、「ちょっと前に自分は誕生日だった。だから『おめでとう』と云ってほしい」との本意を彼女に汲んでもらう腹ずもりだったんです。この日の千奈美ちゃんの発言によれば「うちより馬鹿」なすーちゃんに対し、これは一種のギャンボーでもありました。あゝそれなのにまたしてもアライグマ男(読み:アライグマン)。わづか一文字「は」と云ったばかりのすーちゃんをもうヨコ取り。結果、7月うまれの子へ9月にオタオメを伝えるステレンキョー、で終わったぼくなのでした……
 だがしかーし! 光速握手会の渦中(中略)ついに桃子ですよ。愛しの姫と、最愛の短足姫と差し向かいになって「桃子だけ見てたよ!」と、嘘っぱちをぼくがいー切らない内に「ハッ!」と息吹(いぶ)いた彼女は、ゴギッ!とゆー音と共に文楽人形の様に首を回し、ぼくのとなりのアライグマ野郎に釘ずけ。決して大きからぬお目々をクワッとおっぴろげて、エサをもらう小鳥のクチバシの形でおクチもおっぴろげのげ。表情は分かったけど、哀しいかなそれはぼくへ向けられた顔にあらづ……そりゃあね、姫がぼくなんぞをおスッ飛ばしになってまで次のお客さんに喰い付いたのも、ちょっと冷静になった今ならうなづけますよ。片やかわいーアライグマ、片や下卑たるエロガッパ。
 でもさ……あんまりぢゃない! 今きみの目の前に居るのは誰なのさ! あたいが誰を好きでピンクいポロシャツ着てったかお分かり!? ナニさ、何だってゆーのさ! 粉まみれにするぞコノ野郎! てゆーかそもそもアライグマ! あんたってばスラーッとした子をあたいの分までエンヂョイしたぢゃーないのさ! 大デ○小○ブはこっちへよこしなさいよ!
 かくして完っ全に瞳孔をおっぴろげられたぼくは、シンガリ千奈美ちゃんへ「お疲れ様」としか伝えられなかったし、ニギニギもこちらの握力ゼロでした。とみに対応の良し悪しを問われる握手会で、事もあろうに「握手対応がショッパいフアン」だって。帰れ。その前に、来るな。あとアライグマ、ここでもガッついて来たらいーぢゃない。
 こげーなお寒い幕ギレになるなんて予想だにしていなかったぼくは、開演に先立ってグッヅを購入してしまっていたんです。イヴェントTシャツ、同デーヴイデー、そして2L版ナマ写真(桃子……)。来月まで尾を引くであろう経済的タイトロープ状態のド真ん中にあり、計3点ぽっちとは云え、ちと痛い出費でした。


 


 


 


 公演中に歌われたのは「ああ、夜が明ける」の他に「シャイニングパワー」、そして「友達は友達なんだ!」でした。「夜明け」のカップリング曲「大人にはなりたくない 早く大人になりたい」をこの場で披露してくれる様に期待し、胸とアレをふくらませていたぼくは肩とアレをすかされた格好ですね。
 この愚ブログで「夜明け」を取り上げ、素晴らしい楽曲だ!と、衣装がセクスィー女装の様だ!と大絶賛した8/16の下衆記事の中に「カップリングにもヒヂョーに思う所があった。いづれそれにも触れたい」等と不遜にも記した分際で、次の記事では縁もゆかりも無い与太話を書きやがりました、ぼくは。その後8/28の暗黒の研修で心をヘシ折られて以来ブログに手を付ける気にもなれなかったけど、ようやっと傷も癒えつつある今日この五郎、おーよそ1ヶ月ぶりとなる今回の更新で「大人には〜」をピック・アップさせて頂きます。どうしたって主観でしか書けないけど、お付き合いの程をよろしくお願い申し上げます。
 まづね、この歌詞? 大っ好きです、辛気くさくて   馬鹿にしてないよ。ほんとに好きなの俺、こうゆーのが。人生ブッ詰んじゃった駄目人間が束の間の現実逃避に耽る、みたいなストーリーが個人的に超ストライクなんです。
 クチビルが割れていて、ハダ荒れに悩んでいて、(こんな描写は無いけど恐らく)睡眠不足によるクマもデキている。そんな結構な外見をお持ちの女の子が主人公です。そのクチぶり(?)はパッと聞きネガティヴ一本槍の様でいて、彼女には“タベホに行きたい”との食欲があるのは喜ばしい事です。精神的に病みがちな状況で食欲まで失ったら、「それはゆるやかな自殺だ」とおっしゃったのは桜玉吉センセでした。だから大丈夫。「大人には」の主人公は“TVで観た肉が食べたい”とまで云って、肉食系な部分まで垣間みせてくれるんだから、彼女は大丈夫。ただし、それぢゃ確かに“ダイエットなら中々続かない”んだんべーけど。でもいーよ。やせる事よか食べる事、生きる事。
 「⑦Berryzタイムス」のアルバム曲で唯一まともに聴けた「真っ白いあの雲」での“何処か知らない街を旅してみたい”と同様、「大人には」にも“海外に行きたい”との現実逃避願望がアリアリと著されています。「現実逃避」ってゆーと、どうしたって負の印象が勝ると思うんです。でも、いーぢゃないですか。帰るべき現実に籍を置いているからこそ、逃避もデキる訳で。
 初めて聴いた頃には、“ギターでも弾けたなら、哀しい曲つくるわ”ってフレーヅがあるからアコギ1、2本で作った様なアレンヂがよかったなぁ、それこそ四畳半フォーク的な、なんて安直に考えていたんですよ、お恥ずかしながら。でもそれは「もしもピヤノが弾けたなら」をピヤノで弾き語るぐらい本末転倒なんだなって。「大人には」の主人公はギターを弾けないんですよね。ギターを弾けない、哀しい唄も作れない、もう笑うしかない……そしてカミソリも無い! カルモチンも無い! 首くくるヒモも無い無い無い!(人間失格人間椅子)からの、むぉうグァマンできぬぁい!(声の出演:郷里大輔)の無い無い尽くしで、何にも無い何にも無い全く何にも無いギャートルヅ状態。だから本作の伴奏にギターは要らなかったと思います。てゆーか電気グルーヴの「シンセ1台あれば何でもデキる」って言葉からの発想だけど、ブッキバキのテクノの方がハマッた☆カナ? ところが実際のアレンヂではギターがワウワウしていて、分類的には「デヂ・ロック」ってゆーんですか? シャラくさいですねー。


 


 先程「ギターは不要」とタイプした手指の油も乾かぬ内に真逆のこと書きますけど、ギターやベースそれぞれのラインはかっちょええと感じるんですね。しかるに「デヂ」を冠さない「ロック」であれば聴こえも全然ちがっていたと思います。その辺は脳内で変換しているからいーんだけど。そりゃあ人間椅子さ。Bメロなんか「怪人二十面相」そのモノだし。
 表題曲、カップリング共に暗〜いテーマで歌詞がつずられ、それでも後者に若干の救いが見られる本作は「シングルとしての完成形」とも云えるけど、惜しむらくは8月に発表するべき作品ではなかったかと。こちらも同じく閉塞的な「ヒロインになろうか!」は、3月アタマの肌サブい時期の発売だったからこそ身に染みたのかも知れません。それがもしも盛夏の折に発売されていたら、やはり印象も変わっていたでしょう。あと歌い手さんによってお唄の印象が違って来る事ってあると思いますが、そのメンドくさい女っぷりが最早コンセンサスとなっている真野恵里菜ちゃんが「大人にはなりたくない! 早く大人になりたい!」といー出したら彼女のフアンは上を下への大騒ぎかと。始まった!っつって。ちなみにぼくはメンドくさい女の子も大好物です。愚痴3時間ヨユウ。恵里菜、俺んとこ来いよ。桃子? あいつぁーもう過去の女さ。
 で、楽曲について最後にひとつ。Berryzが「大人には」をライヴで披露した事があるか無いかを知らないぼくは、“スカートがまくれても気になんない”がどんなフリなのかを憂慮しているんです。Q:これはナニ? A:2段がさねお弁当!(ピンポーン!)的な「ダンスとゆ−よりはヂェスチャー」みたいなフリを、唐揚げ弁当に限らず多々お見受けします。かつて07・春のSSA公演のデーヴイデーでの「スペジェネ」の、前傾姿勢でターンする所で桃子はスカーツを豪快におっぴろげてみせました。あるいは“スカートが〜”もそんなフリにされ、メンバー7人がかりでおっぴろげてしまうかも… そう考えたらぼくも思わず前傾姿勢ですよ。 …アレはね、桃子の単独犯だからいーんですよ。「さすが嗣永プロ! ヤッてくれるなや〜」っつって。それが決まり事とされ、グループ全員でおっぴろげるだなんてお下品きわまりありませんからね。


 


 「大人にはなりたくない 早く大人になりたい」を従えるA面「ああ、夜が明ける」。その実物を購入するまでぼくは、事前情報を遮断していました。
 思えばふたつ前のシングル「ヒロインになろうか!」でもぼくは同じマネをしたけど、それは正規の音源とPVを楽しみにしていたからで、本人としては前ムキなシャット・アウツだったつもりです。だけど「夜明け」の場合は後ろムキってゆーか、むしろ逃げ回っていました。「シャイニングパワー」や「愛の弾丸」の時の様に、発売に先んじて動画などに探りを入れ、失望したくなかったから。Berryzを嫌いになりたくなかったから。Berryz工房を好きでい続けたかったから。
 だから出たとこ勝負の心境で入手した今作は、決して売り上げは芳しくなかったかも知れないけど、ぼく個人には大当たりのヅッぱまりでした。でもね、Berryzから逃げていた事を後悔しているんです。前述の通り「現実逃避」をぼくは恥じていません。鬼ごっこで云えば、逃げる事は生き延びる事だから。現実世界で汗をかきベソをかき、たまの休日、あるいは1日の内でスイッチを切っていていー時間、シーデーでもデーヴイデーでももちろん現場でも、Berryzは大切な逃げ場だったはづです。「現実」とゆー名の鬼からぼくを守ってくれる安息の地だったはづです。
 彼女達からさえ、ぼくは逃げていました。鬼に見つかったら一巻の終わりでしょう。雨が降ろうが槍が降ろうが労働、労働、また労働。そんな時、頭を下げてでもかくまってもらうべき鉄壁の要塞は、やっぱりBerryzだったんだな(門番は鬼をも寄せ付けない須藤茉麻。喜んで逃げ込むよ俺!)。
 生きて行く為に逃げるんだ。自分が生きている事の社会的意義なんかひとっつも無いって知っているけど、自分が楽しいから生きていたいんだ。ひと様に迷惑を掛けない範囲で、もっともっと楽しく生きて行きたいんだ。だから逃げるんだ。
 下衆くたって、エロガッパ頭にされたって、握手会でドン無視されたって構わない。嫉妬に猛るのはそれだけ相手を好きなんだってゆー気持ちの裏返しだし、憎っくきアライグマ野郎だって逆に注目されるヒンツを教えてくれたとも考えられるし。桃子はかわいーかぶりモノに弱いんだんべ? したっきゃ次回はね、彼女ん所でヅボンさ脱いで、ぼくの股間のかぶりモノを存分に魅せつけてヤルよ! かわいーぞ〜。
 あと埼玉県下の支店からアレな人材が一堂にカキ集められた恐怖の研修で、意見発表をネタ見せかナニかとカン違いしたって、熊谷支店では鉄板の「営業あるある」でドンづべりをかましたって、挙げ句の果てにはその一部始終をうちの課長へ報告されたって構わない。……でも、イヂ見せて来たよ俺! 


 


 


 また来てニャン(^-^)ノシ ※30代、一般男性。