第153話「馬鹿でも勝てる、後出しヂャンケン」の巻

 日本の皆様アロハ! 親の因果が子に報い、埼玉県熊谷市での生活を余儀なくされている柾木大造です。
 熊谷と云えば夏の暑さで悪名が高く、内地で罪を犯したサノバビッチの流刑の地@サマーとして恐れられています。邦画では「悪霊島」や「天国と地獄の美女」、洋画では「モロー博士の島」のロケ地にもなったこの絶海の孤島では、6月の内(24・金)から何と39.8度を計測しました。その日もオートバイで営業まわりに明け暮れていたぼくは、意識がモウロウとしたのか転倒しちゃって、放り出された先は日本一の暑さで熱されたヂャリ道。痛い!とかぢゃなくて、熱い!だって。ムフフ。
 そんな捨て身のギャグで幕を開けたぼくの「浮かれたい夏、2011」、そのテーマ・ソングに定めたのがこちら。


 


 かつて安月給が故の分裂騒動の渦中にあったKARAを、つんく氏は「銭の亡者」呼ばわりしやがったモノです。その後、少なくとも表ムキは円満に活動を再開した彼女達は、やにわに「ジェットコースターラブ」を週間1位に叩き込み、外国人女性グループ史上初の快挙を成し遂げました。その余勢をKARU今作を、アノおぢさんは「この夏1番のヒッツになるんや!」と評したとか。……何て綺麗な手のひら返し!(笑) K-POP隆盛の昨今、ひいき目ありありで頭ひとつヌケて見えるKARAがタイアップ付きのアッパーなダンス・チューンさ発表すれば売れるのは自明の理で、そんなこと音楽プロデューサーならづとも一介のトーシローでも分かります。てかつんくは自分がプロデュースした曲も今夏いくつか発売する・した訳で、まづはそれ等を1番のヒッツにする手立てをお考えなさいよ!とゆいたいです
 こんな調子で最早KARA側を気取っているぼくだけど、最初「新曲は『GO GO サマー!』」とアナウンスされた際には、何だかな〜って思ったんですよね。正直、アホみたいなタイトルだなやって。で、アレンヂはユーロビーツでダンスはパラパラ、そして本編は“ショー・ウィンドウは夏色のサイン”に始まり“あきらめちゃ駄目よ、もっともっと I wish”と結ばれる、中身すっカラかんな歌詞……本来ぼくみたいな根KURA野郎はお呼びでない楽曲なんだろうけど、勝手なGARA、すんごく気に入っています。
 それとゆーのもね、ケーハクなだけに底ヌケに明るいこのお唄は、浮かれた夏の一場面を見事に切り取っている、と思わせてくれるカラなんです。「〜サマー!」同様、そもそも苦手なユーロビーツに類する「ヒロインになろうか!」(Berryz工房)を大絶賛した3/9の馬鹿記事でぼくは、大槻ケンヂさんのお言葉をノウノウとパクッて「この手の音が作り上げる高揚感は、場あたり的なモノに過ぎない。だカラこそ『ヒロイン〜』の主人公の“みんなみんな憧れのヒロイン”になりたい!とゆー欲求を、一時的なモノであれ熱狂を生み出すユーロビーツで表現したのではないか?」みたいな、よくわカラない感想を述べました。
 一方「サマー」がユーロ・サウンヅである意味は、無意味さにあると思います。ナニも考えないでノッちゃえばいーんだ、と。しかるに振り付けも敷居の低い、誰でも真似しやすいKARA流パラパラ=KARAパラに落ち着いたのではないでしょうか。夏に、能天気な歌詞のユーロでパラパラ大会……実に浮かれ倒していますね(^^) そう云えばタイはプーケッツでPVを収録したらしいけど、日本の新島とかでの撮影だっTARA「夏の浮かれっぷり」がナマナマしい方向へ行っちゃったかもね。


 夏のお唄と云えば電気グルーヴの「ビーチだよ! 電気GROOVE」かスチャダラパーの「SUMMER JAM '95」ぐらいしか浮かばない、音楽的に90年代で止まっていたぼくの空白の10年超を更新してくれたKARAの「サマー」。あえて注文を付けるとしTARA、サビの♪GO GO サマー!がMAXの♪TORA TORA TORA そのまんまな点(あと急に思い出したお話。『ミスター』のおヒップ・ダンスの所の♪ララララララ、が『ベルサイユのばら』の♪BARAはBARAは、に似ている)。そして個人的な願望。島谷ひとみちゃんの「亜麻色の髪の乙女」が流行っていた頃に爆笑問題の太田さんが「それを途中でダンス・ビーツにしないで、イントロのリヅムのまんまウクレゝをフィーチャーしたのを聴きたいなぁ」とおっしゃいました。それはのちに実現したけど、ぼくも「サマー」の歌い出しの♪Here we are,Here you are の伴奏カラBPMが上がらないのを聴きたいなぁ。太田さんのはラヂオでの公的発言だったのに対してぼくのは完全に独り言だし、万が一にも実現した所でゴーゴー感に欠くんだろうけど。ゴーゴー感?
 ちなみにぼくが入手したのは初回限定盤Aで、それには本作のPVを収めたデーヴイデーが付録で付いていました。耳だけで捉えると、前述した通りに浮かれっ放しで終始一貫していて、それはそれで楽しいんだけど、PVはそこに若干のペーソスを加味する事で、何とも味わい深い作品に仕上がっています。
 芸能人・KARAのオフ・タイムなのか、単にルームをシェヤしている仲間なのか、設定はいづれにしても部屋の中でリゾーツ・ウェヤでまどろむ5人はセレぶり3(さん)ならぬセレぶり5(オー。韓国語で)と云った赴き。


 


 ほとんど流れで「海にでも行こうかね」となり、口々に「行きた〜い」とはゆーモノの実行に移す気配も無し。ジヨンちゃんは音楽に聴き入り、ニコルちゃんは雑誌を読み耽り、スンヨンちゃんは……ナニしてんだアレ(^ω^;) 何か寝っ転がっていて、ギュリちゃんは室内なのにサングラス着用でおひるね   グラサン越しであれ、彼女の完全無欠な美貌はヒシヒシと伝わって来ます。ピエール瀧は学生時代、余りにも衝撃的なその顔面のため先輩方にヅバリ「顔」と呼ばれていたとか。それにNARAえば、ぼくはギュリちゃんをこう呼ぶ他ありません。「美女」、と。


 


 それまで扇風機に「あ゙〜っ」とヤッていたのにも飽きたのか(長々としてられっかそんなの)、ハラちゃんはスマートホンをいぢり出し、自分達がそれのCMを務めている事もヌケ目なくアピります。細かい事だけど、スマホンに表示される文字がハングルだっTARA面白かったKANA。もっと云えば導入部の小芝居も韓国語だった方が彼女達の素の感じが出たろうし、それに日本語の字幕を書き足せば韓流ドラマっぽい雰囲気にもなり、味が出たと思うんだけど如何?(・ω・)
 果たしてジヨンちゃんがナニ気に手にした不思議な貝GARAカラ響く歌声が、歌唱シーンのきっかけとなります。その際のお召しモノですが、「マリン・ルック」と云えばボーダーのインナー×紺のジャケッツが一般的だと思うけど、


 


 


 KARAが提唱する新しい着こなしは、彼女達の女性ファンにとって今シーヅンのコーディネーツの指針となりそうですね^^
 先の貝GARAが突然変異で謎の巨大化を遂げ、みんなをヴァカンスの地へ誘(いざな)う扉となります。その入口をくゞる場面で、KARAと共にワープしたワンちゃんがそれっきり登場しないのはもったいなかったってゆーか、みんなのペッツって設定であろうワンちゃんなんだカラ、思い切って今作のアイコンに据えてもよかったのではないかと。アイコニックよ、いづこへ。例えばワンちゃんもヂャケ写に登用するとか、浜辺ではしゃぐKARAを遠まきにワンちゃんナメで押さえるとか。
 かくしてパラレル・ワールヅに辿りついたKARAご一行は、ギュリちゃんが運転する車で一路ビーチへ。


 


 この場面で気に掛かるのが、ドライヴァーが誰あろうギュリちゃんである事。作中でも手ばなし運転でふざけた踊りに興じるシーンがあるけど、それ以前に、残念な子ってイメーヂがそこはかとなくあるんです。泳げないってゆーし、絶叫マシーン苦手ってゆーし(前作のタイトルは何だったね)、最近TVで目にするたびに気になる彼女の右手の小指の包帯も多分お料理の最中にYARAかしちゃったんだんべーなぁって思うし、ひとりだけ太ってるし。
 そう云えば、先のスマホンのCMの売り文句は「スマートホンは外でも見るモノだカラ」、エステのCMでは「キレイはTBCカラ」となった通りに何とも使い勝手のいーグループ名だカラ、勢い的にDAKARAのCMも来るんぢゃないか?なんて思った事もあったんだけど、ギュリちゃんが痩せてくれないと商品の性格上まづいでしょうね。


 


 お肉がヅボンに乗る、とゆーひとつの基準もやすやすクリヤ!v(>-<)v 鉄壁の美しさにDARAしのないボデー……好事家にはたまりません!(^^) あゝお肉スキスキ。
 何だかんだでお唄は終わりへ向かって行き、日常のストレスを忘れてビーチで大はしゃぎするのも、ステーヂで歌い踊る歌姫の姿も、結局は彼女達(ギュリちゃんだけ?)の夢でしかなかった、とゆードラえもんの幻の最終回の様なオチが付きます。
 これこそがぼくが思う、このPVにペーソスを感じる場面です。わづか4分にも満たない非日常、それが終わればいつもとKAWARAない日常。この所ほとんど毎日TVで観るお仕事漬けの彼女達に限らず、会社や学校へ通う毎日は大して面白くもありません。でも、だカラこそ休日を楽しく彩ろうと思うし、「現実逃避」と云われようが何だろうが夢を見る事は楽しいんです。
 冒頭で作品名だけ挙げた「天国と地獄の美女」、原作は江戸川乱歩の「パノラマ島奇譚」の主人公は湯水の如く銭を注ぎ込み、自分専用のテーマ・パークを造り上げました。それをひとしきり堪能すると、燃え尽き症候群とゆーのでしょうか、ひるねの夢のあとの様な虚脱感に襲われ、人間花火として自身の楽園へ肉片となって降り注ぐのでした   と、ゆんべの内にこゝまで好き勝手に書きちRAKAして、いつの間にか気絶しちゃってた(><) んで、出勤前に更新。GO GO お仕事! あ、燃え尽き症候群にはドミノ倒しが効くんだって。んぢゃ、行って来ま〜す(^-^)ノシ さようNARA。


 モノはついでに書き足し。今これだけの人気を誇るKARAだけに、逆に毛嫌いしているお歴々も多々いらっしゃるかと存じます。TVで観る彼女達のKYARA(ジヨンちゃんの持ちネタ、美味しいモノを食べて『ウマウマくんヒヒーン!』とか)や、そもそも楽曲を受け付けないってのは正しいKIRAいKATAだとも思います。でも、韓国人だってだけで拒絶しておられる向きはちょっとね。
 何処人だっていーぢゃん。
 自分が海外さ行って、日本人ってだけで突っぱねられるのも嫌ぢゃん。
 K-POPの歌い手さんはふつー、来日カラ向こうは日本語で歌います。チョー・ヨンピルさんしかり、桂銀淑さんしかり。それ等を予備知識ゼロで耳にした時、いーお唄だなぁって仮に感じたとして「お送りしたのは韓国の誰それさんで」と聞いた瞬間に「何だチョンかよ!」って切って捨てちゃうのって、単純にもったいないなぁって。
 右翼の青年の青春群像を描写した映画「凶気の桜」の劇中、洋菓子に舌鼓を打つ事を上役にたしなめられた極右の青年は「ウマウマくんヒヒーン!」、違う、「美味いモノは美味いッス」と反論しました。
 信念があるのは確かに立派だけど、美味いモノは美味い、いーモノはいー。それでいーぢゃん。