第142話「脱線もするよ、歩みが乱れてるんだもの」の巻

 木造アパーツにお住まいの皆様アロハ! おやすみからおはようまで暮らしを見つめ(最終的には殺害す)る、柾木大造こと屋根裏の散歩者です。あります、女装癖!(キリッ!)


 


 …でっ、でも勘違いしないでよね! あたいのは飽くまで服装と言葉づかいだけで、本格的な(指先を揃えた右手の甲を左の頬へ寄せて)こっちぢゃないのよ! (指先を揃えた左手の甲を右の頬へ寄せて)こっちなんだから!
 この書き出しは以前も使った事があるんだけど、どなたの目にも触れなかったのをいー事にキャイ〜ン兄さんやミック・ジャガー先生のネタをトッピングして再利用してみたの。地球に優しいギャグって所☆カナ? 内容はアレだけどね。ムフフ。


 


 んで(・∀・)
 はてなパパから云われた今週のお題は「あたいの小さなこだわり」って事なんで、今日の愚記事では角川文庫刊「私のこだわり人物伝・大槻ケンヂが語る江戸川乱歩」になぞらえて、「あたいの小さなこだわり人物伝・柾木大造が語る江戸川乱歩」を書こうと思うんだ。うん、お題の意味を履き違えているのは百も承知だよ。あとそのご本の場合ロック業界で20年も生きて来たオーケンが乱歩を語るから意味がある訳で、あたいみたいなヅブヅブのトーシローが社会の底辺でナニを書き散らかした所で何の意味も無いんだけどねっ★
 川*^∇^)||<♪無ー意ー味ぃ〜!
 オーケンが語ったモノも含めて乱歩を論じたご本は世に流通し倒していると思うんで、極めて私的に、かつオーケンとゆーフィルターを過分に介しながら乱歩を語るわよ。みんな、お付き合いよろしくねっ(・ω<)
 ちなみにその「私のこだわり〜」は文字通りオーケンが“語った”のを書き起こしたモノらしいんだけど、相手が大物であれ「いやぁ××さんアノねぇ〜」的ないつもの口調ぢゃなかったのね。借りて来た猫みたいな「ですます」口調でやんの。多分そん時の顔はデスマスク調でやんの。
 それで乱歩とあたいのお話なんだけど、あたいは33才とゆー、人生の後始末に入った老いぼれじゃ。婆さんゴハンはまだかいのう? そげーなわしが尋常小学校へ通っとった時分の図書室に、乱歩の作品はあるにはあったんじゃ。しかしな、わしが小学生じゃった昭和末期の乱歩のご本と云えば、ポプラ社の悪名高きアレじゃ!


 


 これじゃこれ! 楳図かずおセンセの「笑い仮面」に恐れおのゝく屁たれ坊主じゃったわしはこの、オネショ請け合い! トラウマ必至!な表紙のご本を手に取る事は、ついぞあらなんだ。
 果たして尋常中学校へ進学すると共に女装小学生から女装中学生へと目覚ましき進化を遂げたわしは、いつしか筋肉少女帯にヅッぱまっとった。自然オーケンの著作を愛読する様にもなり、彼がエッセイの中で折に触れて乱歩を取り上げて「ぼくの感性の源泉、はたまた反面教師である」と書いたり書かなかったりしとるのを目にした覚えがあったり無かったり。愛聴する筋少の礎となったのが乱歩なら、そいつぁ読まざぁなるまいて!(クワッ!)とイキり勃ったんじゃな。
 初めて拝読した作品が何だったか、哀しいかなチーッとも覚えとらん。時の流れは残酷よのう。ふぉっふぉっふぉ…げふっげふっ! ウゲェーッ! …すまんすまん、ちと痰がからんだんじゃ。どげーな時系列で読み進めて行ったかは綺麗に記憶が無いモノの、2、3篇でトリコになった事は忘れもせんわい。ゴハン食べたか食べとらんかは忘れても。
 「木馬は廻る」など極一部の作品を除いて(てか『木馬〜』以外うかばなんだ)、電気グルーヴの2ndアルバム「UFO」をある雑誌が端的に評した「破壊! 疾走! ディープ! ポップ! ナンセンス!」のポップ!をドゥーム! ないし、猟奇!にすげ換えたかの如き救い無く陰惨なエログロ・ワールド・オブ乱歩に、柾木少年はすっかり魅入られたんじゃな。また、その時々のヂャンプだマガヂンだの最新号を回し読みしている同級生を尻目に古本屋さんで揃えた乱歩の文庫を読み耽る自分が、あたかも高尚な読書少年かに思えてウットリしとったのも事実じゃ。で、鏡の前で己(おの)が女装っぷりにウットリしとったのも事実じゃ。
 「周りには馬鹿しかおらん。そんな中にわしは埋没せん。他者とは違うナニか…それをわしは持っとるんじゃい!」
 口にこそ出さんかったが(しゃべる相手おらんかったし)乱歩チルドレンであるオーケンの、そのまたチルドレンであるわしは彼等が創作した主人公に自分を投影し、かような情念を抱えとった。我が暗黒の中学時代にあって筋少や電気や「たま」の元ナゴム軍団が、そして乱歩が「他者とは違うナニか」じゃったし、流行りに背を向けてマニヤックなモノを嗜好するわしイカす!とも思っとった。まさに中二病と云えよう。我ながら痛いわい、お股が。わしが他人じゃったら声かけないもん。女装しとるし。
 先の電気の「UFO」のキャッチ・コピーは「疾走する馬鹿野郎達の明日はどっちだ!?」じゃった。乱歩作品の主人公もまたどいつもこいつも「行く末も定めずに走り出して明日を見失う馬鹿野郎」ばかりじゃ。分けてもわしが選ぶNo.1作品「蟲」の場合は突きヌケとる。未読の向きには是非一読あれ! 浅野忠信さん主演で映画化もされたが、そちらはお勧めせん。云ってしまえばストーカー殺人の物語なんじゃが、それを面白おかしく描かれてものう(^ω^;)
 世を忍ぶ仮の職場では偽名で暗躍しとるが、そもそもわしの本名「柾木大造」は、かの作品の主人公「柾木愛造」(同名のエロ漫画家センセがいらっしゃるらしいがそちらは無関係)の様に後世に名を残すヒキコモリになりんさいや、と願った親が名附けてくれたんじゃ。マイコン版の愚ブログを開いてくれるのと同時に中学生棺桶の「人間嫌い」が流れるのも、そこに由来しとる。されどモバイル版ではそれが機能しよらんけぇ、ケータイの読者様の為にわしが、心を込めて歌うぞなもし。
 川*^∇^)||<♪にーんげーんぎーらい〜、ひーとぎーらい〜!
 州*‘ o‘リ<人間! 人間! 人間! 人間!
 時を経て尋常高等学校へ入学すると同時に女装中学生から女装高校生へとおぞましき変貌を遂げたわしはその秋、まだ見ぬ乱歩チルドレンとの出会いを果たしたんじゃ。筋少が乱歩の東京での落とし種ならば、彼等はさしづめ津軽での落とし種と云えようぞ。…あっちこっちに落としとるんね、種。ちょっとちょっと乱歩〜隅に置けないね〜、えぇ?(と、南海キャンディーズの小さい方の声で) 婆さんゴハンはまだかいのう?
 たま好きが高じて購入したイカ天年鑑に載っとったからヴィジュアルは知っとったし、ローリー寺西さんは「すかんち以前にヤッていたバンド『猟奇納骨堂』は、のちの彼等に通じるモノがあった」とおっしゃっとった。そしてオーケンがエッセイで、ギャグにおける県民性の青森県民のサンプルとして名前を挙げた「人間椅子」との邂逅は、93年の事じゃった。
 わしが初めて購入した彼等のアルバム「羅生門」には、乱歩の影響は希薄じゃったと思う。ゆーとすれば「蟲」を思わせる詞世界の「ブラウン管の花嫁」、そしてバンド名でもある乱歩の作品名をヅバリと冠した、彼等のテーマ曲である「人間椅子倶楽部」ぐらいじゃったろうか。さりとて、今まで聴いた事も無かった和風ドゥーム・メタルに初めて触れ、やはりヅッぱまったモノじゃ。
 そしてさらに時を重ねた2000年のアルバム「怪人二十面相」で、彼等が持つ乱歩への敬愛は爆発した、とわしは思っとるんじゃが如何かいのう?(・ω・)


 

怪人二十面相
みなしごのシャッフル
蛭田博士の発明
刑務所はいっぱい
あしながぐも
亜麻色のスカーフ
芋虫
名探偵登場
楽しい夏休み
地獄風景
大団円

 事程左様に曲名を書き写しただけでも、古きよき探偵小説の目次の様ではないか。終盤の「楽しい夏休み」が見るも無残に浮き上がっとるが、「名探偵登場」から「地獄風景」に至るまでにナニが起こったのか、そして如何にして「大団円」へと帰結するのか妄想するのもまた一興よのう。


 


 かつてはネヅミ男のコスプレで控えめに一世を風靡した鈴木研一さんは、皆様ご存知の通り「ステーヂ衣装は和服(さもなくば学ラン)しが見に付げね」と公言してはゞからなかろ? わしがライヴにお邪魔し始めた90年代後半は、純白のお着物   純白てか喀血パホーマンスの血糊のせいでピンクい染みが付いとったんじゃが、何にせよ死に装束をよくお召しになっとった。じゃがそれとは真逆に、2000年・夏の「二十面相」リゝース・ツヤーでは二十面相の外套をイメーヂした漆黒の、裏地が赤のお着物をご用意なされた。自身のポリシーを崩さず、乱歩への敬意を忘れない姿勢に脱毛しきりじゃ。あと今は剃髪されたが、研ちゃんのロング・ヘヤーはやはり艶っぽいのう(*´ω`*)
 腹は違えど同じく乱歩チルドレンでありながら、筋少とは一線を画するアプローチで亡父の肖像を描く人間椅子。彼等に影響を受けた世代も着々と台頭して来とって、人間椅子チルドレン筆頭と云えるのはやはりBerryz工房じゃな。
 先日発売した「ヒロインになろうか!」は「暗い日曜日」を下敷きにして製作されたのはゆーまでも無いし、須藤茉麻ちゃんからは(髪の毛ありし頃の)研ちゃんへのリスペクツが色濃く見て取れるのう♪


 


 今日も今日とて好き勝手に書いて参ったが、詰まるところ乱歩についてのこだわりを語ったかと問われたら少々心許ないのう(´・ω・`) 敢えてゆーなら筋少人間椅子、そしてBerryzを愛するわしにとって、乱歩は父方の祖父の様な存在かのう(とニッコリ。ちなみに母方の祖父はブラック・サバス)。
 づいぶん夜も更けたわい。そろそろ寝るとするぞなもし(次の朝が来る保証は無いぞなもし)。老人の独り言にお付き合い下さり、誠にありがとうの。又のご来場をお待ちして、また会うその日までごきげんよう(^-^)ノシ ※大団円ギャグ。
 婆さんゴハンはまだかいのう?