朝・晩とめっきり涼しく、ともすれば肌寒ささえ覚える様な時節となって参りました。
 皆様方におかれましてはお体の調子は如何ですか? お風邪などを召していらっしゃいませんか? 1日の内にも随分と気温差の生じる折ですのでお召し物にもご留意なさって下さい。そうして皆様が、日々健やかにお過ごしなさいます様に願っております。
 さて本日は、最高気温がある程度の水準に落ち着く頃合まで記事にはするまいと決めていた事柄を書きたいと存じます。
 このブログの中で度々触れておりますが、ぼくは埼玉県熊谷市に生まれ育ち、今も居住しております。ですがそれは好き好んでの事ではなく、他に行く当ても無いし、今の所は別段何処へ移り住む必要にも駆られていないからです。いわゆる「郷土愛」等と云った殊勝な心持ちで、この町で暮らしている訳ではありません。
 地元民の目から見て熊谷には、誇れる物など何ひとつありません。全国的に知られているのは  「誇れる物」とは趣きを異にしますが  真夏のうだる様な暑さだけでしょう。決して喜ばしい話題ではないそれは夏の間のニュースや天気予報でも盛んに取り上げられ、その都度ぼくは辟易としたものです。また市の職員は事ある毎に、町興しのスローガンである「あついぞ!熊谷」とプリントしたTシャツやポロシャツを身につけ、嬉々として取材を受けていました。
 それが如何に愚かしい行為であるか、少しの自覚も出来なかったのでしょうか? 他市町村に勝る点が夏の暑さしか無いからと云って、それをそのまま打ち出す安直さ、また浅薄さ。それ等よりもうひとつ根の深い愚かしさに、誰も気づかなかったのでしょうか?
 熊谷に限った話ではなく、今年は記録的な酷暑でした。それは哀しい事に、多くの尊い命を奪う程の酷暑でした。
 熊谷の一市民としての意見ではなく、どの市町村からでも暑気の第一患者が出た時点で、夏を迎合・妄信・礼賛するのは人道に反すると、誰も、少しも思わなかったのでしょうか?
 それでも市は暑さを打ち出し続けました。市に留まらず、老舗デパートも、大手ホテルも…かく云うぼく自身も、重大な過失を犯しました。
 このブログは今年の7月なかばから始めた物ですが、当初の記事の幾つかにこの町の暑さを愚弄した記述をしてしまいました。前述の様に、もはや物笑いの種にする事は許されない程の酷暑の最中に、です。読者の皆様を不快な気持ちにさせてしまった事は想像に難くありませんし、直に目にして下さる事は無くともお亡くなりになった方、ご親族を亡くされた方がおられる裏でぼくは、軽はずみの冗談のつもりで節度をわきまえない言葉を吐いてしまいました。猛省したからと云って許される事ではありませんが、お詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。そして先の記述を修正もせず、記事自体を削除もせず、自分への戒めとしてそのまま掲載している事をお許し下さい。
 最後に、この夏に熱中症でお亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げます。